Claude Gordon model Trumpet |
クラウド・ゴードンモデルトランペットは1970年代にロサンゼルスベンジで作られ始めました。しかし、度重なる工場の合併、売却、再編が続き、1980年代にはセルマーUSAに生産が移ってしまいます。大きな工場で大量生産するセルマーUSAでは、CGモデルトランペットを生産するのに不向きでした。Bachとは異なるパーツを使用する点が、大規模な生産ラインで大量のBachトランペットを生産するセルマーにとって非効率だったのです。受注が少なかった事もあり、1990年代のBachのカタログには、CGモデルは既に載っていません。そして、2002年初頭にセルマーはCGモデルの生産を中止してしまいました。セルマーが生産したCGモデルは2000本程度と言われています。暫く生産停止状態が続いた後、2007年1月にオレゴン州のマーシンキウィッツで50本限定のLimited Edition製作を皮切りに、再びCGモデルトランペットの生産が再開されました。 2010年代は月産1本程度のペースで製造されていました。製作者のMarcinkiewiczはこの時既に高齢だったため、引退することを前提に自身の息子を後継者として指名していました。しかし、いざ引退直前になると「やはり自分が作ったトランペット以外は認めない!」という考えに変わったようです。現在CGモデルを始めとするMarcinkiewiczの楽器製作は中断されており、Marcinkiewiczブランドのマウスピースのみ生産されています。日本国内の楽器屋でもMarcinkiewiczのマウスピースはよく見かけますが、Marcinkiewiczのトランペットは中古でしか出回ることがありません。 |
![]() ![]() ![]() © Jeff purtle |
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CGモデルが他の楽器と異なる点は、「楽に鳴らす」楽器として製作されているにも関わらず、非常に大きなボアを採用している所にあります(ゴードンの理論では、空気の通る穴が大きい方がより抵抗が少なく楽に演奏できる)。通常のB管Bachトランペットでは、0.459inch ( 11.66mm )がMLボア・標準として採用されています。Lボアが標準のC管でも、0.462inch ( 11.73mm )です。CGモデルのトランペットはボア径が非常に大きく、マウスパイプのマウスピース側は 0.360inchですが、チューニングクルーク側ではロサンゼルスベンジで 0.468inch ( 11.89mm )、セルマーは 0.470inch ( 11.94mm )が採用されています。またベル側の根元で一旦 0.466inchに絞り直している事で独特の抵抗が生まれます。マーシンキウィッツでは468と470の2つのCGモデルトランペットが製作されており、468はロサンゼルスベンジの復刻、470はセルマーUSAの復刻です。 |
![]() ![]() ![]() 下 : Vincent Bach 180ML GP Claude Gordonには1番管の指かけが無い |
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CGモデルマウスピースは1970年代前半にロサンゼルスベンジが製造を開始しました。製造するにあたり、Herbert L. Clarkeの使用していたマウスピースをベースに設計したようです。また製造当初は、リムサイズによってカップの深さも様々だったようです。しかしこの時点でスロートは#20と決定されていました。1980年代後半になると、生産を委託されたセルマーが、ゴードンが設計したマウスピース、Bach 5V, 5MV, 5SVを生産しています。どのマウスピースもBach 5番リムのVカップですが、5V、5MV、5SMの順に浅くなり、スロートは5Vが#20、5MVと5SVは#25 ( 3.81mm )となっています。 |
![]() ![]() ![]() 中 : Marcinkiewicz CG 20 右 : Vincent Bach |
![]() ![]() ![]() 共にハイトーン目的のマウスピースだが、方向性が異なる E12.4はBach 12位の口径で大変浅く、スロートは#28 (3.56mm) CG 20は深いVカップでスロートは#20 (4.09mm) |
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